統合失調症は、国を問わずに100人に1人程度の方がかかる病気と言われています。
そういった意味では珍しい病気ではありません。
「統合失調症の人とは話が通じない」「治らない病気」と思われるイメージがありますが、
新しい薬や心理社会的ケアなど治療の進歩もあり、最近では多くの方が回復していくものです。
統合失調症の症状は、幻覚や妄想が特徴的で、それに伴い、人とのコミュニケーションが上手にできなくなったり、意欲の障害もあり、生活そのものがしづらくなります。また、病気の状態であることを自覚しづらいのもこの病気の特徴です。そのため、治療が継続できずに慢性化することも少なくありません。
発症の原因は未だ明らかではありませんが、発症のきっかけとして、何らかのストレスや、人生の転機、進学・就職、結婚などの変化が関係していると考えられます。
しかし、これらはきっかけであって原因とまでは言えません。多くの人はその転機を経験しますが、皆が発症するわけではないからです。
現在では、原因は、もともとの素因(発症しやすさ)と生活してきた環境が関係しているのではないのかと考えられています。
ですから、統合失調症と診断された場合は、なかなか良くならないからなどと、転々と病院を変えることよりも、主治医と良い関係を築くことをおすすめします。
主治医が多くの時間を患者さまと共有することで知りえる、患者さまの生活環境や素因が回復に大切な要素となるからです。
また、この病気を克服するうえで大切なのは、患者さまの周りの方(家族や友人、上司)の病気に関する理解です。
なかなか理解できない言動などもありますが、病気についての理解が深まればお互いのストレスも軽減されます。
患者さまの周りの方が、サポートの方法がわかることが回復への良い影響なのです。
患者さま本人、家族そして医師のつながりが大切なのです。
現在、この病気は薬の開発も進み、また社会的なケアも進歩しているので、発症患者(初めての場合)の半数は回復できるようになっています。一方で再発を繰り返す、あるいは慢性の経過をたどるかたも多くいらっしゃいますが、これもまた治療の進歩により、安定した状態を長く保つことが可能になってきています。
患者さまの周りの人・家族が耐えられなくなって投げ出してしまうことは、回復への障害となります。ケアしている方々が耐えられなくなってしまわないうちに、家族会に参加したり、ケアしている方が医師と相談することも大切なことです。
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